外壁塗装の塗り替えを検討するにあたって、自宅の外壁の「下地」は何か、どんな「工法」で施工されているのか、「塗料」は何が使われているのか、など確認しておきましょう。
ここでは、外壁塗装の基礎知識として、塗料の種類について紹介します。
下地の種類、施工方法については、こちらを参考にしてください。


塗料のグレード
塗料のグレードとして、主成分の樹脂によって、安価なものから順に、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素の4種類があります。
また、2010年代に入って、ラジカル制御塗料というものが現れ、普及し始めています。
アクリル塗料
アクリル系合成樹脂成分を主成分とする塗料です。価格の安さがメリットですが、現在は外壁塗装としては主流ではありません。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は、ウレタン樹脂を主成分としていて、外壁塗装で使う主な塗料としては最も低価格なものであり、紫外線に弱いというデメリットがあります。耐用年数は6~8年と言われています。
シリコン塗料
シリコン塗料は住宅でもっとも利用されている外壁塗料です。コストパフォーマンスが高く耐久性がある塗料と言えます。 酸性雨、排気ガス等にも効果的ですが、ウレタン塗料よりも価格がやや高額となります。 耐用年数は10~15年程度です。
フッ素塗料
フッ素塗料は特に耐久性が高い外壁塗料で、シリコンより価格は高くなりますが、メンテナンスのコストが少なくなります。 防水性が高い上に紫外線に強く長持ちします。 フッ素塗料の耐用年数は15〜20年程度です。
ラジカル制御塗料
ラジカル制御塗料は、上の4つのように樹脂の種類による分類ではありません。アクリルやシリコン、フッ素など使用される樹脂はいろいろなタイプがあるのですが、高耐候酸化チタンと光安定剤という成分が配合されていて、塗装を劣化させるラジカルを発生させる酸化チタンを制御して劣化を抑える塗料です。
まだ実績は少ないですが、コストパフォーマンスがもっとも高いと言われる塗料です。 シリコン塗料とほとんど価格が変わらないにもかかわらず耐久性が非常に高いため、今後の主流塗料になるのではないかと考えられています。 耐用年数は14~16年程度です。
水性と油性
塗料には水性と油性があります。
塗料の原料には、「顔料」「合成樹脂(シリコンやフッ素など)」「添加物」といった固体が使われていますが、これを塗り広げるために、液体である「希釈剤(薄め液)」で溶かす必要があります。
塗装後、希釈剤が乾燥すると、顔料で着色された合成樹脂で壁などを保護する効果を発揮されるわけです。
この希釈剤の部分が水であれば「水性」、シンナーのような有機溶剤であれば「油性」です。
昔は塗料といえば、密着性が良く耐久性が高いこと、乾燥も速いことから、油性が主流でしたが、近年は水性でも耐久性が高いものが開発されてきたため、においが強くなくて作業性の良い、水性が広く使われるようになりました。
1液型と2液型
そのまま使用する「1液型」と、使用時に硬化剤を混ぜる「2液型」とがあります。
2液型の方が、密着力が高く耐久性も良いというメリットがありますが、手間がかかるのがデメリットです。2液型が多いのは油性になります。
私はシリコン塗料での塗り替えを検討していたのですが、いろいろ考えた結果、ラジカル制御塗料として日本ペイントから発売されたパーフェクトトップ(1液水性ラジカル制御形ハイブリッド高耐候性塗料)での塗り替えをすることになりました。2012年に発売された塗料とのことで、まだ10年以上の耐久性はわからないのですが、今からの塗り替えなら新しいコストパフォーマンスが高い塗料がいいかなということで決めました。

主要メーカー公式サイト(参考)
- 日本ペイントhttps://www.nipponpaint.co.jp/products/building/
- 関西ペイントhttps://www.kansai.co.jp/products/decorative/index.html
- エスケー化研https://www.sk-kaken.co.jp/product/
- アステックペイントhttps://astecpaints.jp/movie/detached-houses-paint/refine/
- ロックペイントhttps://www.rockpaint.co.jp/architecture/
- 日進産業https://www.gaina.co.jp/business/products/exterior/
- 菊水化学工業https://www.kikusui-chem.co.jp/
まとめ
- 樹脂で分類すると、安価で耐久性の弱いものから順に、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素の4種類があります。
- 近年、塗装の劣化を抑える成分が配合された、ラジカル制御塗料が普及し始めています。
- 水性でも耐久性が高いものが開発されてきたため、作業性の良い水性が広く使われるようになりました。
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